無事に行って帰っておいで
昨夜、夜中までかけて額入れと梱包をし、今朝近くの宅配営業所にワンコを運んだ。
受け付けてくれたお姉さん、絵の箱を台車のハンドルに垂直に立てかけて運ぼうとしている。ちょっと傾けてくれたら倒れる心配がないのだけど。
「…それ、倒れませんか?」
遠慮がちに言うと、
「倒れることはあります。」
と。はぁ…?
そこにドライバーさんが割って入ってきて、
「たくさんの荷物があるんだから、倒れることもあれば、上に重いものを置くことや、箱に穴があくことだってありますよ。」
「平らに置くこともあるんですか⁈」
「一応、注意喚起のために天地無用というシールは貼りますけど、これだけたくさんの荷物を運ぶんだから、いろんなことがありますよ! いったい、いくらのものが入ってるんです?」
何? 安いものなら壊れてもいいってこと? 冗談じゃない。本人が大事だと思ってるものは、値段に関係なく大事なのだ。
「値段の問題じゃないです。」
それだけは言って、
「よろしくお願いします。」
と、営業所を出た。この人たちとこれ以上話しても、時間の無駄だ。クレーマーを撃退してやったと言わんばかりのドライバーさんの態度が、ただ悲しかった。
まだ来週、再来週、これより大きいF20号を運ばないといけない。今回の絵よりずっと思い入れのある、自分の分身のような作品だ。あんな人たちに任せるのは、我が子を戦場に送り出すような気分になる。
帰ってすぐ、ネットでいろんな業者を調べたけれど、大きさが運べるギリギリで、下手したら断られるらしい。
絵画専門の系列会社にも問い合わせをしたけど、広島市内から梱包しにくるから、安くて数万円。しかも、今立て込んでいて、20日必着には間に合わないと。
結局またあそこに頼むしかないのか。。。もう少し調べてみよう。
ちなみに、今日の会社にはアート便というのがあり、F15号以下ならそれが使えたこともわかった。それなら、今日のF10号は、そっちを勧めてくれてもよかったのに。
とりあえず、茶色いワンコ、怪我なく行っておいで。たまたま今日の人たちが特別ひどかっただけで、あの会社にも丁寧に扱ってくれる人はいるはずだから。
東京、そして、マルタ共和国。
よい旅を!