ラッキーは人間にはとても従順なワンコです。遠くにいる人に吠えることはありますが、人間に向かって行くことはなく、私に逆らうこともありません。
だけど、ミルに対しては、信じられないくらい凶暴になる時があります。しかも、後から来たのに「お前のものは俺のもの」という態度。まるでジャイアンです。
茶色いワンコがやって来た時、すぐにわかるのは、ラッキーがミルに、ものすごい勢いで襲いかかる声が聞こえるからです。
イノシシが来た時もそうです。なぜか、他の生き物が現れると、ラッキーは興奮してミルに襲いかかるのです。
だから、そんな時避難できるように、ミルのリードはラッキーより1メートルくらい長くしてあります。
ラッキーの凶暴さに気づいたのは、リードをつけることができ、初めてうちの庭に入ってエサをやった時です。
それまで仲良くじゃれていたので、2つ並べてエサの器を置きました。すると、ラッキーはいきなり唸りながらミルに襲いかかり、先ずミルのエサを貪るように食べてから、そのあと自分のエサを食べました。
リードを引いても全くいうことをきかず、ミルも呆然。
ピースワンコ・ジャパンさんのボランティアに参加した時、エサの時にケンカする子たちは、お互い届かない所に繋いで食べさせていらっしゃいました。ラッキーもそうするしかないな、と、エサの時はミルに届かないところに繋ぐようにしました。
そして、ラッキーが初めてウチの庭で過ごした夜。11月末でかなり寒くなっていたので、車庫の屋根の下に毛布を3枚置いていました。
ミルが来たのも10月の終わりで、夜は寒かったので一番に私がしたことは、毛布を持って行ってやることでした。それを覚えていたのか、防犯カメラで様子を見ていると、ミルが毛布を咥えて、庭の真ん中で寝ているラッキーに持って行ってやっていました。
ミルのその行動にちょっとウルウルなったのですが、ラッキーはその晩は毛布の意味がわからなかったらしく、屋根もない所で、毛布も敷かずに寝ました。
次の夜は、庭の真ん中で毛布を敷いて寝ていました!やった〜! と思ったら、次の夜。
ミルが寝ていた車庫の毛布を3枚ともラッキーが奪い、ミルは車の下に入って寝ていました。
その後、犬小屋をラッキー用にひとつ増やし、風よけになればと、小さなビニールハウスを車庫の屋根の下に置きました。
新しいものが怖いミルは当分中に入ることができず、先に入ったラッキーが全部独り占め。元々ミルのものだった犬小屋まで、ラッキーが占拠してしまいました。
身体は一つしかないのだから、自分が入ってないところにミルが入っても文句はなさそうですが、ミルが空いているどれかに入ると、唸って追い出しに行きます。最近は大丈夫になりましたが。
人間に対するのとミルに対する態度が違いすぎて、うちに来るまでどんな環境にいたのか、いろいろ勝手な想像をしてしまいます。
逆にミルは、人間には距離を置くのに、動物に対してはとてもフレンドリーで寛大です。ラッキーにも猫のルナにもやられっぱなし。でも、怒りもせず、またすぐシッポを振って寄って行きます。
ケガをしないように加減してるみたいだし、2匹が仲良くやっていけてるなら、まあ、いっか、という感じです。